沖田正午(おきだしょうご)
小説作家- 経歴
- 1949年現さいたま市中央区生まれ。埼玉県立与野高校卒業後、グラフィックデザイナー、販促用ゲームプランナーとして活躍後、2006年『丁半小僧武吉伝』(幻冬舎文庫)で、作家デビュー。
「沖田節」ともいえる、人を見る目の暖かさと軽妙な筆づかいがファンを惹きつけている時代小説作家。主な作品に、「北町影同心」(二見文庫)、「やぶ医師天元世直し帖」(ハルキ文庫)、姫様お忍び事件帖」(徳間文庫)、「天神坂下よろず屋始末記」(双葉文庫)、「仕込み正宗」(祥伝社文庫)などの各シリーズ、『阿吽の羽織』(幻冬舎単行本)、『生きがい 戯作者南風余命つづり』『物書き同心裏稼業 未解決事件始末』(ともに角川文庫)など多数。
実業之日本社刊『お家あげます』は、初の書き下ろし現代小説。 - 講演テーマ
-
1.チャンスは巡るもの
長い人生の間に、必ず挫折は巡ってくるもの。それをいかにチャンスとして活かすか。会社経営に失敗しなければ、今の小説家としての地位はなかった。そして、癌の宣告。人生の終結感を、いかにして克服したか。2月の内に、2度の摘出手術を受けた体験。そんな心境の中で生まれた時代小説『生きがい』KADOKAWA文庫刊。生きる上で、いかにモチベーションが大事か。自らの人生の体験と実感、そして、今にしてこの活力感はどこから生まれるか。一人でも多くの人に伝えたい。
2.時代小説への想い
時代小説を書いていて重要なのは、人生観と人間の機微。教科書に載るような歴史上の出来事よりも、現代人とは違った、彼らの生活感を主体に表現する作風である。執筆する上で古地図を参考とするが、平面に書かれたものを、いかにして立体化するか。そこに、想像というものが働いてくる。テレビやイラストには表現されていない自分自身のオリジナル性をどのように創り出すのか。江戸時代を表現する上で、いつも意識するのは、電車も自動車もなかったその距離感である。
3.自作品『生きがい』を通しての、人生観
『生きがい』のプロットは、癌治療の入院中に生まれたものである。余命一年を宣告された戯作者が、いかにして生きがいを見出したのか。生きるべき糧を求めて旅に出る。その最中での艱難辛苦。どんな境遇にあれ、人は思い込みによって強くなれるもの。そんな勇気を与えてくれる作品と自負している。主人公の生きざまをテーマとして、ぜひ語りたいものである。
なお、癌は今のところ再発は見つからず、根治に向かっています。
公開日:2019年03月13日
カテゴリー: